宣誓〜おまけ


「『今日急ぎの書類は処理済みなので退勤を許可します。そうだ、先週角のファッションショップの隣に出来たシュークリームの専門店、ご存知ですか?なんでも旬の限定商品は絶品だそうですよ』」
「・・・え・・・?」
「や、だから・・・。中尉にそう伝えてくれと頼まれたんだ。一字一句間違えずに、と念をおされた」

一体どんなシチュエーションで言われたのか、マスタングは少し顔が引きつっていた。

(これは・・・今日サボった事に目を瞑ってくれる代わりの・・・?)

自分が悩んでいた事を知っているホークアイに、一体何について悩んでいたのかまで見透かされていたのだろうかと思うと、内容が内容なだけに嫌な汗が背中を伝う。

「すごくこわ・・・いや、満面の笑顔で言っていたが。お前中尉に何か借りでもあるのか?」
「・・・あんたがそれを言いますかね・・・」

ガックリと頭を垂れるハボックをマスタングは不思議そうに見つめる。
大体サボったのは大佐も一緒なのに・・・と少し納得がいかずむぅっとマスタングを睨みつけた。

「・・・大佐はなんか言われたんですか?」
「何かって・・・」

いつでも相談に乗ると言われたなどとは格好悪くて言えずに口篭る。

「あ。ちょっと。なんで目を逸らすんですか!!今約束したばかりなのに!!!」
「うるさい!!大体中尉には何も言われてなどいない!!」
「だったら目を見て言ってくださいよ!信憑性がないです!!嘘を言うのはこの口ですか!!!」
「いっ!はにおふう(何をする)!!」
「うぉ!どこまで伸びるんすか、このほっぺ!!?」
「!!?」
「痛て!いって!!痛いです!ごめんなさい!もうしないですから!!」

抓っていた腕をねじり上げて放させると、思い切り脛を軍靴で蹴り上げた。
あまりの痛さに蹲るハボックを、マスタングは尚も蹴り飛ばそうとするので慌てて逃げ惑う。
暫くはこの!この!と何とか蹴りを入れようと追い掛け回していたが、それも馬鹿馬鹿しくなってくるとマスタングはくるりと踵を返した。

「もうお前など知らん!!」

ぷんすか怒りながら屋上を出て行こうとするマスタングをハボックは足を引きずりながら追い駆けた。

「ちょっ、置いてかないでくださいよ!酷いっすよ!」

冷たいです〜と泣き言を言うハボックにマスタングはくすっと笑いながら幸せの溜息を吐いた。




ここまでお付き合いいただき本当にありがとうですv
私の中でリザさんはちゃっかりさんですw
私的にハボに甘いリザさんが好きなのにうちのリザさんは大佐に甘い・・・orz
どこで間違えたのかなぁ・・・−−;